王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「……フレ」
「その理由だが」
フレデリック様と、私の話し出しが被った。私は目線だけで、フレデリック様に先を促した。
「目下その最有力は繕い物だ」
「へっ?」
返ってきた予想外の台詞に、思わず素っ頓狂な声が漏れた。
なにがどうして、繕い物?
小首を傾げてみせる私に、フレデリック様は苦笑して、くるりと背中を向けた。
二メートルに届きそうな長身に、広い肩幅のガッシリとした体躯。フレデリック様の明るい金髪に、肩から掛けた緋色のマントがよく映える。
「……ええっと、それで?」
背中を向けた意味は、ナニ!?