王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
するとフレデリック様が、おもむろにマントの裾をひと纏めにして、端っこに寄せた。
「!! あ、あっ、あぁぁあああああっっ!??」
認めて、思わず叫んだ。
「……とまぁ、俺は今、むやみやたらに周囲を歩く事も憚られる状態でな」
背面を向けたまま、フレデリック様が首だけをこちらに巡らせて、少々きまり悪そうにポリポリと頭を掻いた。
「と! とにかく中に入って下さい!!」
キィィイイイ――。
言うが早いか、私はフレデリック様を室内に引き入れて、すぐに扉を閉めた。