王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
するとフレデリック様は私にくるりと背中を向け、いそいそと腰にタオルを巻き、そうしてまたいそいそとズボンを脱ぎはじめた。
……乙女か!? と、叫びたいのはグッと堪えて、脱ぎ終りを待った。
「で、ではすまんが頼む」
フレデリック様はとても律儀で、脱いだズボンをキチンと畳んだ状態で渡して寄越した。
「はい、フレデリック様は適当に掛けて待っていて下さい」
私は裁縫箱を持つと、いつもと同じ食卓の厨房よりの席に座り、受け取ったズボンを広げた。
広げたフレデリック様のズボンは、後ろの尻の部分が見るも無残にパックリと割けていた。
フレデリック様は巻いたタオルの上にマントまで巻き付けて、袷がはだけないか気にしながら向かいの席に座った。