王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
そしてこの恰好で、フレデリック様は一体、何をした?
「うむ。ここに来る途中で、昨日の雨で納戸の屋根が壊れ、その撤去に難儀している老齢の農夫に出くわした」
「え!? まさかそれを手伝ったんですか!?」
「うん? なに、目の前で困っているのだから、手を貸すのは当然だろう?」
さも当たり前のように、フレデリック様は答えた。
……けれどたぶん、王子様は普通、そんなの手伝わない。
いや、王子様じゃなくたって、見て見ぬ振りをするか、そもそも他人になんて脇目も振らないという人が大半だろう。