王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
しどろもどろにフレデリック様が語ってみせたのは、この上もなくどうしようもない内容だった。
政治家の汚職釈明にしたって、もう少しマシな言い訳を重ねるというのに。
……だけど、なんだろう。フレデリック様のこんな姿もまた、私は好ましいと感じてる。
「まぁいいです。今回ズボンが割けちゃったのは、フレデリック様の善行の結果ですから、私がこれ以上何か言うのもおかしな話ですからね」
「エミリー、さっきの言葉に嘘はないんだ! 俺の手では、こうも綺麗に縫い上げる事は出来なかった。エミリーに縫ってもらって、大正解だった!」
フレデリック様が必死な様子で言い募るのが、なんだか可愛いと思えた。