担当の営業社員は傲慢でした。【短編】
仕上がった資料のファイルをメールで送り、携帯を手に少し思案。

……よし、っと。

“資料、送りました。
訂正箇所があったらご自分でお願いします。
私はもう、帰りますので”

壁に掛かってる時計を見ると、すでに十時をまわってた。
思いの外手間取ったみたいだ。
もう誰もいないオフィス、ついてる電気は私の頭上だけ。
こんな光景を何度見たことだろう。

チロリロリン、鳴った通知音に画面を確認。

“サンキュ”

短くそれだけ。
ほっと息をつき、電気を切ってオフィスを出る。

……今日の晩ごはん、どうしよ。
もうコンビニ弁当でいっかー。

ボンヤリとそんなことを考えながら私は駅へと向かった。
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