MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛
おばちゃんの教え
おばちゃんは50代のレディース上がり
強くて元気でカッコイイ。
旦那さんは市役所勤め、美桜の父親と同僚で父親は厳ついが、ここの旦那さんは優しい。
おばちゃんが惚れて、押し掛け逃がさなかったそうだ。
かき氷を食べながら、おばちゃんの武勇伝を聞かされる。おばちゃん曰わく、
「いいかい、あんたら、この男と思ったら
ギユュ~ッと握ってはなすんじゃないよ。」
「どこ握んの?」
ガリガリガリ、ほうばるかき氷は、
キーンと頭に冷たさが走る。
イタイ、かなりキター
3人で、ばたぐらいバタバタ、おばちゃんの話を聞くどころじゃないが聞く。
「男にはあるんだよ!小娘にはまだ早かったかい。」ガハハ
「ってかハートだよ。ハート。」
おばちゃんは、大口を開けて豪快に笑った。
「ハイハイ食べたら、早く帰りな、また明日待ってっからね、
気をつけてな!シツ、シツ
あんたら昼寝してまうから、
サッサと帰って親の手伝いでもヤレ。」
追い立てられるように、外に出たら男の子達が寄って来て、連絡先を聞いてきた。
おばちゃんが店先で睨みつけたら、彼等はさささっと、蜘蛛の子を散らすように居なくなった。
おばちゃんの、鍛え上げた目力は
今も、健在だった。
蝉の声は益々時雨だし、
体がカキ永り冷えしてる内に
家路を急ぐ。
長い坂道をチャリ漕いで漕いで頑張って登る。
今年の夏は観測史上最高だとか!
「夏キラーイ、アツー」とー人言もこの坂とセットだ。」
美桜には妹がいる。次女の桜花、三女の桜、美桜は剣道三段、`
19歳医療系の専門学校生。
桜花は空手三段、
18歳高3、桜は15歳中3、
少林寺憲法をやっている。
どの妹も小生意気だけど私もなかなか負けたりしない。
長女の威厳をフルに使う。
自分の危機は自分で脱しろ。父親の愛情で身を守るすべを固める。
小さい頃は嫌々だったが今は感謝している。
桜花は、私と瓜二つで年子なのでよく間違われる。
性格もほぼ同じ。桜はおっとりしているけど眠れる獅子見たく、
敵と判断したら一番強いかもしれない。
顔は平等に作ったと自慢するほど、お揃いに出来上がっている。
父親がこれ以上男っぷりが上がると嫁にいけないと言って、3人とも中高一貫の、お嬢様学校に、はねこまれた。
お料理、お花、お茶、日本舞踊、
マナー検定は1級取らないと卒業出来ない。
良妻賢母を掲げる学校で、箸の上げ下ろしから、歩き方、なかなかうるさいで御座います。
長い長い坂道をまだまだチャリで登る。
陽炎が揺れる程暑くなったアスファルトは、裸足になるとアチヂチチチとなる。
坂道は長い、止まったら終わりだ。もうチャリを漕げなくなる。