MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛


やっと登った坂道には、下り坂、こっちが恐い。
お婆ちゃんとか、お爺ちゃんが歩いていると、ケガさせちゃう。



細心の注意を払いながら坂道をおりる。
コンビニに、着くとホッと一息つける。

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン
チャリを置いて中に入る。

冷たい風が体を包みコーヒーの香りが
暑さでふやけた神経をも、いやしてくれる。


「アアン~シアワセ。♡♡」
かぐわしい香り大好きな匂い。


一歩進むと、ドーナツの甘い香り、コンビニは《いやしのパラダイスや~》


炭酸とアイス(1コ)と唐揚げ棒xアメリカンドックを三本ずつかいますた。



そこは珈琲とドーナツじゃないんかい。


アイスをぱくつきながら、チャリを押し川端を歩く。

早く帰らないと妹達も練習が終わり帰る時間だ。




シャワー争奪戦を避けたい。
川の土手や道に沢山のひまわり畑が一面黄色で埋まっている。



青空の白いモクモク雲と
ひまわり畑のイエローオレンジの
コントラストは、
素晴らしいシュチエーションだ。

軽く背を越す向日葵の花を見ながら
(花も大変だね何て思いながら歩く。)


しばらく暑さに負けて、ボーッと歩いていると大きな石橋の架かる場所にでた。





(アリャリャ?こんな場所あったっけか?)



右や左、後ろ上、色々眺めながら
木漏れ日の中を前に進む。


周りには大きな柏の木や椚が高く高く育っていて上から美桜を見下ろしている。



自転車を橋のたもとに立ち掛け炭酸水だけ、一つ持って橋の真ん中まで行く。

大きな玄関のドア位の石が

上手く組み合わさって、青々とした苔が生えている。

まるで、何百年経つているかのように。

キョロキョロと回りを見渡す。



石橋は西洋の、今でもフランス革命でも始まりそうな雰囲気をかもしだしていた。



真ん中に佇んでいると、
突然視界がぐらつき揺れた。

その後、爆発音がどこからともなく聞こえて石橋がゴローンゴローンと崩れバシャーン、バシャーンと水渋きが高く高くあがる。

ドドーン、ドドーン、美桜を追い立てるように積まれた石が順番にドカン、ドボーンと落ちて水しぶきが高く上がる。


≪ギャーギャーギャーギャー怖い、怖い!!≫



独り大声で騒ぎたてながら、
15分程走り続けた。土埃が朦々と上がる中を全力疾走した。


どれだけ走つたのだろう。


息が切れてバタンと倒れ込んだ。あの勇ましい音が収まり静かな時間が流れた。


ホツとしつつ起き上がれずに、眠りに襲われた。

どれくらいの時間がたったのだろう。


美桜は目を開けると初々しいシロツメ草の鮮やかな緑の絨毯の中にいた。


白いピンと立った花が、
大小咲き乱れて‥
クローバのグリーンが白い花を余計浮き出させている。

鼻を酔わせるような独特の香りが美桜を
現実へとひきもどした。
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