MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛
🐝クックグルグルグー、
コケコオッコオォ~
クックグルグーコオケコツコー
朝4時、庭鶏の雄叫びで目を覚ました。
「エー庭鶏がいるのぉ~。」
昨日は暗くよく見えなかったけど
外には、遅咲きの向日葵が
畑いっぱい咲いていた。
一年分の向日葵油を作る為に。
向日葵畑の間から沢山の庭鶏が
出て来た。
烏骨鶏、チャボ、コーチン色々だ
茶色やら白、色とりどりのニワトリ、
鶏小屋には、白い卵、茶色の卵沢山ある。
すると、当然あの曲が流れてくる。
腰に手を当て身体をかがめて、ニワトリダンス
コツ→♪コツコツコツコケツコケコケコケコケ♬コリャけっこー
一番鶏ははやおきさん♬♪
パンくずいるなら食べてみろぉ~♬♪
パンやと、どっちがはやおきかぁ♬♬♩
たまごにきなみとうまみがあればぁー♬♪
おかねを下さいコツコツコツコォー♩♪♬
コケツココリヤケツコオー♩♬♪!
朝から何事と思って外に、
出てみれば‥
「“ブフフッ”なんて楽しい子だい。」
マヤは嬉しそうに呟いた。
ナタリーさんのお屋敷は
ヤギだったけど
マヤさんの家はニワトリ。
お花がいっぱいな処も似てるな~
マヤさんは、ロングの毛先が
少しカールしたウイックを
用意してくれた。
マヤさんがくれたウイツクを付けると
ミシェル邸にいた美桜が鏡の前にいた。
マヤさんのカフェに行くと、
「まあ!美桜かい、
ったく凄く可愛らしいよ
よく似合ってるよ。
本当に女の子だったんだね。」
マヤさんは、嬉しそうに騒いでくれた。
チョット恥ずかしい。
それから30分経つと店の中は
満席になった。
美桜も、飲食店のバイトをしていたから、ラクチンにこなせた。
珈琲とパンの焼ける匂いは
美桜を幸せにした。
ピークを過ぎて、
厨房の近くのテーブルで
遅い昼食を取っていたとき
青年が、入って来た。
マヤさんは私がいくよ。
あの子、城勤めだから、昨日の事
聞いてみよう。
飲みかけの珈琲をテーブルに置いて
マヤさんは、立ちあがった。
「あの~私見つかったら‥。」
「大丈夫、探しているのは男だょ。
美桜は女の子じゃないか。」
ポンポンと肩を叩くと、
水を持って注文を取りに、行った。
大きなバックを椅子に置くと、青年は
« ハアーツ»
と深い溜め息を吐いた。
「《あっ》しまった。魂が抜ける。」
と慌てて口を押さえた。
「馬鹿だねえ、
魂が出る訳ないだろう。
自分の気持ちに
リセットかけているんだよ。
溜め息は、リセット!!」
「あ~あ、そうなんですか?、
知らなかったな~。」
水を置くと青年は、
シーザーサラダと玉子サンドと
カフオレを頼んだ。
「昨日から騒がしいけど城で何か
あったのかい。」
「聞いてもらえますか?
みんなウンザリして
ますよ。」
彼はゴクリと水を飲んで
《内緒ですよ。》
彼は誰も居ないのに小声で喋りだした。