MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛


執事のマークが来て
「明日ですが、お車でいかれます?
 遠回りにはなりますが、
 馬車でしたら
馬車道を通らなくてはなりませんが、
どうされますか?」


レイモンドは少し腕を組み考えて、

「馬車でいこう。
 ストレスもあるし森林浴!!  
 それに早く帰って、

“見合い”“見合い”

 言われたらたまらん!なぁ、
“ヴァルタン”」
 
「それはなあ、レイモ‥
《あーわかつた!わかった、それ以上
 言うなぁ!!じゃあ明日10時な。》」

ヴァルタンの言葉を断ち切り、
時間を告げる。

「ちょっと待て10時?、遅すぎるぞ。」

「8時だ、ちゃんと起きろよ!
 帰るぞロベルト明日寝坊するな!!」

ヴァルタンに、つつかれながら
ロベルトも部屋を後にした。




マヤのカフェでは
「今日は、お客が来るから
 7人分のブレットと
 ビーフシチューとチキンの  
 香草焼きを作っておいてね。

 下拵えはしてあるから、
 それから、
カフェを休みにするから。」


とマヤさんが言い捨てて
どっかいっちゃった。

カフェに臨時休業の、
お詫びの看板を出し、家に帰って、
頼まれた料理を作る。

まあ、しっかり叩き込まれたから、
味に自信はありまーす。ルンルン

いい香りが立ちこめてくる。
後は鍋にお任せ、
火加減さえ間違わなけりゃ大丈夫。



ドアを開け、窓を全開にする。
夏とは明らかに違う風が通ってくる。


外の花たちも、サルビアや、
アグラタム、アベリアなど
秋の花に様変わりを始めた。

しばらく眺めていると、
白いものがはいつてきたのが
目の端っこに見えた。

「ん!!」

すると小さい人が入って来た。

「ん!!」

「美桜、久し振りね。」

よこから、顔を出した人はまさしく、
ジュリアさんだつた。

「うわあ~ジュリアさ~ん♡」

「オレもいるよ。」

       「へ?」
驚いた美桜に、
くるくると巻いた白い体を高くあげてシュッシユッと舌を出した。


「マヤさんとお友達だったんですか?」

「友達より仲間な?」


蛇氏は白い細長い体を椅子の上にクルクルと巻いてシュルシュルと舌をだした。

「仲間?何の?」
美桜は不思議そうに聴いた。

「後からマヤから説明の話が
あるわよ。」


そんな話をしていたら、
背の高いモデル並の菜々緒に似た
綺麗人とポッチャリとした
人の良さそうな
おばちゃんが入って来た。

「今日はチャールズが来れないけど、
 アリアがいるから大丈夫ね。


 揃ったところで始めたいけど、
 畑に修道院に
 持って行くコーンとトマトと、
かぼちゃを置いてあるから、
 美桜とアリアで持って来て
  くれないかい。」


 マヤさんはすまなそうに言ったけど、
 「私1人で、大丈夫ですよ!
  アリアさんはゆっくり話てて、
  下さい。」

美桜は、そう言ってすぐ出ていった。

今日は天気が良く風が気持ちいい。
美桜はぐーんと背伸びをした。





のんびりするのも必要だなレイモンドは馬車から顔を出し、風に乗って若草の臭いを
嗅ぎながら、田園風景を楽しんでいた。
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