MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛

美桜は、意味もなく庭の真ん中までフラフラと歩いた。


見上げた月は真上に見えた。
高く、神々しく。


突然目の眩むような虹色の光が
美桜を覆うと見上げた空から、

きらきらきら、キラキラキラキラ、クルクルクルと回転しては、光りを放った。


まるで大きな水滴が落ちて
来るように。


あたり一面、金色の光で包まれ
異様な居心地良さに酔いしれる。


沢山の花の中に佇む美桜を
虹の光が包み、天使のハシゴが
グレードアップしたような中を、
ダイヤモンドダストを大きくした
幻想的なコントラストを、
美桜は目の上で、
レイモンドは国王専用機の中で
見ていた。


「あの光は何かしら?」

美桜はふしぎな、美しい光に釘を
打たれた様に動けない。

レイモンドは、身体を乗り出して
叫んだ。


「あの光は、まさか言い伝えの虹の柱?」


 この国の者達はクルクル舞い落ちる金色のひかりに見とれていた。


下からも沢山の住人達がみつめていた。
しばらく見つめていると光は、
パッと消え一度暗闇に戻り
叉月が満ちて月夜に戻った。

美桜は見上げた空から、落ちてきたように、指に巻きついた指輪を外そうとしていたが、ジヮリジヮリと指の肉を削り中に入って行く。



手は焼け付くように、赤く腫れ上がり血こそでないが、美桜は転げ回り遂には気を失った。


住民達は確かこのあたりに虹の柱が立つたと、その場所を探していた。


気を失ったままの美桜は逞しい腕にかかえられて手足がユラユラ揺れているのに
気がついた。

「たすけ…て…さい。」

それだけ言うとまた気を失った。



頭の遠くから何人かの声が聞こえ段々と近くなり目を覚ました。


「お后様、もう1ヶ月も経ちます。お帰りくださいませ。」

「はぁ!!、まだ、の
間違いでしょう。(怒)」

「母上、今日のような事もあります。
レイモンドが居たから良かったものの、私が駆けつけるまで、
 三時間かかりますよ。」



「分かりました。警備を雇います。」

「まったく…父上も反省されて
 食事もあまり進みません。
 ただ、少し遊びたかったんでしょ う。男には良くある事です」


 「……は!!? …はぁ?
  遊び?閨を共にする事が
  遊びで、片付けれるの?」


「国の権威にも関わります。
 別に本気では無いのですよ。
 母上らしくありません。
 ドンと構えておられれば良いではありませぬか!!」

息子さんだろうか、ピンと張った声は、両親を心配しているのだろう、優しさが伺える。


「クロード、あなたをあんな、
 お馬鹿旦那と同じように
育てた覚えなど
 ありません。
 言葉に気をつけなさい。」


「お言葉でございますが、
 近隣の王族方は、お妾様、
 愛人のたぐいは、沢山いらっ
しゃいます。

 王だけではございませぬ。

 しかもまだお后様に見つかって、ギリギリ未遂で終わっております。」



『お付きの人?気が弱そうなかんじ、
 あ、あの人に以てる、
Mr、オク✤さん。
 王様を気づかってる、感じだな~。』



「ベルナルドあなたも
 浮気をしたことがあるのね!
 ダイアナは、知っているのか!!]

「め、め、めっそうもない。
 私は嫁だけです。
 ΣΘДΘ;第一モテません。」

「じゃあ、あなたが浮気してから
話を聞きましょう。
ダイアナも一緒にね。」

「クロードあなたも、
覚えていなさいよ。」

     

美桜は、余りの権幕にビビりながらも、不思議に思った。
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