MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛
🐝
パタンと、ドアを閉めて
車の中のエミリアにレイモンドが言った。

「君とは結婚しない。嫌‥出来ないよ。君は同僚で、彼女は恋人だ!!」

それを聞いたエミリアは
悔しさを押し殺し目を赤く光らせて、美桜の逃げ出した方向をみっめた。

ずっと眠っていたリザが目を覚ました瞬間だった。

その時、
黒い烏丸の集団が一斉に飛び立った。
ガアガアガアガアと話しでもしているかのように。


一方ザブラルブルグのマヤの家で全員集まっていた。西の空に真っ赤な線がまっすぐに伸びた飛行機雲が現れた。不気味な雲はリザの再来を告げていた。

「いよいよ、動き出したよ。
リザが動き出したなら
美桜とレイモンド に、
また接点が合ったとゆうことね。」

皆一安心しながら不安は消せなかった。
エミリアとレイモンドは、
次の日帰って行った。
隣りの国の舞踏会に、
エミリアと出席する為だ。

香水は美桜の好きな柑橘系に戻した。


なぜ香水を*トラスに
かえたのか全く分からなかった。

いっのまに?
美桜に指摘されるまで
気づかなかった。

エミリアは *トラスを進めたが
ガンとしてはねのけたはずなのに!!


段々自分が蘇った気がしてきた。
その日は1日中エミリアと過ごした。
自分の気持ちは伝えてある。大丈夫だ。変な安心感があった。

しかし端から見たら、
腕を組み、微笑みあって
楽しそうにしていれば

御婚約と見えるだろう。
そんな事にもきずかないレイモンドはやはりボンボンなんだろうか?
舞踏会は夜通し行われる。


まさしくその夜!!


美桜は暗い山道を振り向きながら走った。
何かが追いかけて来る‥
必死ににげるも


突然黒い服をきた集団と
バッタリ出会った。


車に載せられ山の中に連れ込まれた。車は上へ上へと走り止まった。

車から、蹴り出された美桜は
体格のいい男達に囲まれた。


「殺すには惜しいくらい可愛いいな。」



脂ぎった小太りの男が
ニヤニヤしながら近寄って来る。

どんなに美桜が剣道三段でも、こんなに体格のいいガテン系も負けそうな体格の男達に囲まれたら逃げられない。



「コ○せ!と言われてるから、
 ヤらないと俺たちがミミズに
 されちゃうぞ!!」



顎に手を当てニヤニヤする、気持ち悪い。


とりあえず落ち着こう。周りをみると下は川だ。轟々と流れが荒い。


       どうしよう。

「アンタ達、早く殺せ!」

きつい口調の女の声がする。



「エミリア様、しかし
もったいないですぜ
売り飛ばしたら高値がつきそうなのに。」


「ミミズにされたいかお前、ん!!」



「エミリア‥?って?」


美桜が暗闇の中、月の光で見た人物は、
おしとやかで気品のあるエメリアその人だった。

「遊んでもいいよ!!しかし、
ちゃんとコ○せよ。

遊んだ女をレイモンドに、
見せてあげるのも一興。

美桜よくもコケにしてくれたな!!


お前さえいなければ、
レイモンドは私に落ちていたのに、*トラスの香りに惚れ薬入れてたのに柑橘系じゃ効かねーんだよ。」



「惚れ薬?じゃあレイモンドは薬で?」


「黙れ!お前達、分かってるな!!」


「もう少しなのに、レイモンドは
 気難しいんだよ。
 お前に消えて貰うしかないだろう。」


半ば、にやけながらビンタをしてくる。

私はね、3百年待った。
あんたに分かる?
3百年の月日がどんなに長く苦しいか?

あんたが居なくなればすべて、
上手くいく。



       「やれ!!」

ジワジワと男たちが近ずいてくる。

ふと月の光に照らしだされた
男の背中に黒い長い羽がある。

羽はスーツと見え無くなり普通の人の形になった。

この人達、人間じゃない‼

勝てない‼魔物だ‼

足が震えて来た。
美桜は選べ無い、残された道は一つだ。





< 67 / 90 >

この作品をシェア

pagetop