MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛

🐝⋆゜
街にも剣を取り、戦い続けた
勇者がいた。
今だと立ち上がった人々がいた。

しかし不思議なことに市民に
怪我人は出なかった。

話によると虹の光が現れて一人一人クルクルと柔らかい光に包まれていたと言う。

神のみぞなせる業だ。

軍隊と化け物の戦いだった…と。

街の事は軍隊長と、騎士団長、クロード、アルベルトに任せた。

勝鬨の雄叫びが上がる中レイモンドは、ただただ美桜の無事を祈った。


美桜を迎えに来たドクターヘリに
慌てて、美桜を抱いたまま
駆け足で乗りこむ、
ずっとずっと彼女の名前を、
美桜、美桜と叫びながら・・・

待機していた医者や看護士は
美桜の服を脱がすと、
       
アーアッと悲鳴をあげた。
顔から、首、全身にいたるまで、
青く虐待の後があった。

しかし
腹部だけは無傷だった。

全身打撲、頭蓋骨骨折、栄養障害。
俺は泣き崩れた。

あの時美桜を信じてあげていたら‥と
自分を殺したい。

ああ、
「美桜が死んだら俺も死ぬよ、
今度こそ離れ無 い、お前と共に。」

美桜を見つけるたび美桜は、
何時も居なくなる。
もう離れ無いよ。
レイモンドは美桜の汚れて汚い髪に熱いキスを降らせ、

「愛しているよ、今は眠いのか、
頑張った んだな‼
さぞや怖かったろう。」

涙で、ぐちゃぐちゃになった
レイモンドはかすれる声で、
囁いた。

見ていた者達も、
そんな2人を見て涙した。



ルチアマンダ国は、
虹の嵐で一掃され街中に烏丸の
大きな羽が所狭しと落ちていた。
髑髏もゴロゴロ落ちていた。


人々は、カラス族と髑髏族つまり、そろは海賊、山賊、盗賊の子孫達のなれの果てと知っていた

この国はデタラメで
捕まる者達は全て善人で、
上に立つものは全て悪人だった。

エリックたちが捕まった善人達を
すべて
解放し、そして月の乙女が
成敗したことを国中に宣言した。
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