MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛


朝になり庭の草刈りの音と、風に乗ってジンチョウゲの、何とも独特ないい香りで目が覚めた。
点滴は抜かれていた。


手を見たら腫れも引いていた。まだ少し痛いけど、軽く動かせる。
👊ー✋、👊ー✋

部屋は6畳位あり、カーテンは、モスグリーン、ベッドもグリーンで統一されていた。


キョロキョロしていると、おなかが鳴りそうないい臭いが美桜の鼻のへと、一直線にやって来る‥。



臭いの流れる道筋を行けば、キッチンについた。黒人の人の良さそうなぽっちゃりとした60歳位の女性がいた。

頭にターバンを巻いて、フンワリとしたブラウスを着て、プルンとしたお尻がせわしなく動いていた。


熱がでてから会話が出来る、読める、書ける、何故?

「あのぉ、」
申し訳無さそうに声をかける。


 「あら、大丈夫?
もういいのかい?」
    

エプロンで手を拭きながら目がギヨロリとした60代ぐらいの女性は、ダンシングオール✤✤✤を歌ったら、凄いんじやと思うくらいハスキーだ。


美桜の方へやって来ると、ぐるっとした目で覗き込んで、丸い鼻と、ボッチリとした唇を覗かせながら、



デカい手のひらを額に当てた。


「あら、熱引いたわね。
 一週間寝てたのよ。
 疲れてたのね。」


  「1週間?ですか?
1日じゃなくて?」

美桜は、信じられ無い様子で聞き返した。

「そうだよ。良かった、良かった。」
「お~お起きたのかい。良かったな。」


外からやはり60代の
黒人の体格のいい男性が入ってきた。
凄く優しそうな人だ。

そんな事を思っていると、
女性が彼に言った。


「そろそろ奥様が畑から
 帰ってこられるから 
 朝ご飯待っていようか?
ボブは、庭仕事終わった?。」


彼女は、ロザリーさんといって、
凄く美味しそうな朝ご飯が出てきた。

「ああ、今日の分は終わったよ。」


そんな会話の中をさえぎりながら美桜は

「あのう~私、色々お世話に
 なったんですね 。
 ご迷惑お掛けしました。
 ありがとうございます。」
 ペコリと深く頭を下げた。
 

彼はボブさんと言って庭師だそうだ。

「なあに、君こそ大変だったね。
 凄いケガしてたから‥どうしたんだい?」

と、聞かれても美桜も分からず
キョトンとしていた。

「まあまあ、事故かなんかだろうよ。
 言いたく無いこともアルさぁ…」

「いえ、本当にわからなくて!!
 なぜか、分からないんです。」


美桜が本当に分からない様子が
伝わったのか
ボブさんは、心配そうな顔で、

「まあ、しばらくゆっくりして、
 色々考えてみればいいさ。
 長い人生、そんな事もあるだろうよ。」
   ハハハハ

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