MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛
🐝⋆゜
ルチアマンダ国の、牢獄に入っていた頃美桜は確かに、アレンを見た。

あのとき、
彼の裏切りを確かに知ったが
あの時はもう、裏切られようが
殺されようがどうでもよかったから、そんな事すっかり忘れていた。

レイモンドが仕事終わりに
病棟に帰って来る。
看護士さんの間でも、
モテにモテまくっている。
何時もお腹に手を当て,
ベイビー!!パパだよ~
お腹すいてないか?
泣くんじゃないぞと寝言のように
話しかける。

「もう、まだちっこいから、お腹すいたとか
分かる訳ないじゃん。」

「それがな、
この子たちには分かるんだよ。
自信があるよ、間違いない。」

美桜は言い出しにくかったが思い切って言ってみた。

「アレンさんだけど死刑は、
やめて!」

レイモンドは驚きざまに、
美桜を振り返っだ‥

「誰から聞いたのか?!!    
  無理!!   
どんな目に合わされたか
分かって言ってるのか!!バカか?
俺は串刺しにしても
やり足らないぐらいなんだぞ。
怒りは収まらない!」

「私のせいで人殺しは嫌よ、やめて‼。」

「お願い。」

「帰る!💢
話は無しだ!それに人殺しじゃな い! 成敗だ!」

「レイモンドは、裏切りに厳しい。

自分は、映画館に私をブリやって、エミリアのとこへトンボ返り
したくせに、思い出すと
マジムカつく。」

プンプンと枕に八つ当たりしていると

「おやおや、
イライラは体調に悪いよ。
子供が気の短い子供になったら
どうすんだい。」

髪が黒くて目が大きくて鼻の高い
綺麗なマヤさんだが、話方は前と
変わらない。
今は私のお姉ちゃんって所だ。

今日聞いた話を相談する。

「確かにあんまり気持ちのいい
話じゃない ね。

でも、殿下の怒りは、よく解るんだよ。
美桜の事をやつれる程
心配していたからね。

私達が付き添い変わるからと言っても、絶対変わらなかったし、
仕事は、ここでやってたしね。」

「そう  なんですか?」

マヤさんは、
家で作ったマフィンとクッキーを
出して、
カロリー0のお砂糖で作った
元気になる、薬草クッキーを
食べさせてくれた。



コポコポコポコ


湯気をだして、紅茶を水筒
からカップにそそいでくれて
ノンビリとした午後を過ごした。


「明日タニアとアリアと
相談してみるから
安心しなさい。」

夕方になってもレイモンドは、
現れなかった。
よほどの怒りに触れたのだろうか?

アリアとタニアとマヤとジュリアは美桜の体調を心配し
胎児あやかしの術を使った。

これは生まれる子供が父親に
頼み事をするときに使う。

例えばDVの旦那を
子供が叱ったり
酒飲み、バクチ好き、浮気性それを男の良心に訴えかけ、止めさせる術だ。



祭壇にお菓子、果物、玩具をならべる。
玩具はマヤ達が街に出るたび、
ついつい買っていたから沢山あった。



その夜だった。

パパ、パパ

「だれだ、こんな夜中に?」
目をこらすと

暗闇の中にお菓子を食べながら、
ピンクの服を来た女の子二人がいた。
あの時の夢の中の子供だ。
「だれ?」

「まだ名前無いの。」
「私も無いの。」

「パパ、あの日助けてくれて
ありがとう。
パパ強いんだね!」

「今はね、おなか空かないよ。」

「ね~。」
「ね~。」
二人は同じ顔を合わせてニッコリした。

「パパ、ママをイジメないで、
ママ寂しがっ てるよ、
パパ来なかったから。」

「私たちがママを、
ヨシヨシしてあげたの
   ね~。」

「うん。]‪🍘‬ボリボリ
  

真っ黒な大きい瞳をパチパチして
せんべいを食べながら俺をパパと呼ぶ。


ひとりは、真っ黒な髪なのに、もう一人はブラウンの髪、俺のDNAだ。

俺の娘、娘だ。
レイモンドは、嬉しそうに
2人に向かって手を伸ばす。
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