十日月夜のおとぎ話

あたしは昼間のサクとのやり取りを伝えた。



《あはは。やるねー、その彼。で、ルナは今もドキドキしちゃってんだ?》


ノゾムは完全に面白がってる。


《ひどい。こっちは結構本気で悩んでんのにー!》



《苦しいの?》


《…苦しい》



《じゃ、その苦しさから開放される魔法の呪文を一つ…教えてあげる》



《魔法?》



あたしは息を飲んで、ノゾムの言葉をじっと待った。




《あのさ…》

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