十日月夜のおとぎ話
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―――――……



《で。オレの教えた魔法の呪文は使ったの?》


その日の夜もあたしはいつものようにノゾムと会話していた。



《ううん。ダメだった》


《プッ……何やってんだよ》


《でも。これで良いの。アイツは誰とでもキスしちゃうようなヤツなんだもん。もう、傷つきたくないの》


《そっか……》


《ノゾムは違うでしょ? 誰とでもキスなんてしないでしょ?》



《んー。どうかな?オレも男だし》


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