十日月夜のおとぎ話
あたしはもう完全にパニックに陥っていた。


キーボードを打つ手が震えて、さっきからミスタッチしまくりだ。



《オレは手を伸ばしてルナの体を引き寄せる。髪をかき上げて…それから…耳に唇を寄せる…》



もう何もできず、ただノゾムが発する言葉をジッと見つめていた。



《ルナの顎を指でつまんで…顔をほんの少し上に上げて…静かに唇を重ねるんだ…。ルナも応えて…?》


《無理だよ…》


《オレはそのまま、ルナの服の中にそっと手を忍ばせるんだ…。


ねぇ?

どこが一番感じるの?

胸?》


< 43 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop