十日月夜のおとぎ話
結び目を作って、最後にネクタイの端をそこに通す。


これでもう、本当に二人の関係は終わったような気がした。



「サク……ありがと」


サクの顔が夕陽色に染まる。


あの日と同じオレンジ色に包まれた光景は、

あまりにも眩しくて……キレイで。


この夢のように儚い景色を……


あたしはきっと一生忘れないと思う。



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