十日月夜のおとぎ話
それでもまだ、体が動き出せない。


だってこんなの信じられないよ。


ほんとうにノゾムは月からの使者みたいに、あたしをさらいに来たの?



――カツッ……カツッ……


今度は続けて2発、音が響く。


恐る恐る窓辺に体を進めた。


そして震える手で窓を開けて外を見た。




ウソ……。
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