十日月夜のおとぎ話
「えーと……“十日月”の話をした日だよ。10月20日が誕生日だって言うから……、これはもう、ルナ本人だなって確信した」


「そ……だったんだ」



どうりで。


あの日からなんとなくだけど、ノゾムの人格が変わったような気がしてた。


急にテンションが高くなったというか。




「お前、あぶねーよ。普通ネットで知り合ったやつに個人情報漏らすか?」


「ごめんなさい」


「まぁ、おかげでルナだってわかったから、結果オーライだけどな」



シュンとしょぼくれるあたしに、サクはくすくすと笑った。



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