クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
顎に手を当てながらポツリと呟く。
相当なシスコンだな。
「ひとりにはさせられないんだよ。だから、お前のマンションに住まわせてやって」
手を合わせ、俺を仏像のように拝む亮太。
「無理。たまには左京に頼めよ」
この場にいない左京に触れるが、こいつはゆっくりと頭を振る。
「左京は、女癖悪いからダーメ」
「俺も男なんだけど。妹に手を出すとか思わないのか?」
シスコンならまず考える点をつくと、亮太は軽い調子で俺の肩をバンバン叩いた。
「慧ならちゃんと責任取るじゃん」
こいつの答えにくらくら目眩がした。
責任取れば問題ないのかよ。
店員がビールを運んで来たが、飲む気にはなれない。
ハーッと盛大な溜め息をつけば、突然亮太は目を輝かせ、ドアに向かって手を振った。
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