クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
こんな大荷物を抱えていたら、中村さんはどこにも行けないし、俺も彼女を放り出せない。
そもそもこの荷物がなければ、中村さんは俺の家には来なかっただろう。
だが、なぜ大事な妹を俺に託すのか?
俺にもし妹がいたら、絶対に男の元には行かせない。
中村さんをじっと見てそんなことを考えていたら、ポケットのスマホが鳴った。
表示を見なくても、誰からかわかる。
きっと亮太だ。
スッとスマホを取り出すと、やはり彼からの着信。
『綾香の荷物無事に届いた?』
その能天気な声を聞いてムッとする。
「ああ、お前のもな。どうして俺に妹を預ける?女友達くらいいるだろ?そっちに預ける方が安心じゃないか」
俺の質問を受けて亮太は楽しげに語り出した。
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