クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
3、彼女が病気で……
「今日もまだ帰っていないんだろうな」
溜め息と共に呟きながら、家に帰る。
中村さんと同居を始めて一週間。
彼女と顔を合わせることは滅多にない。
当然会話はなく、連絡はメモかメールで用件のみ。
毎朝ダイニングテーブルに俺の分の食事と【よかったら食べてください】というメモが置かれていて、彼女は部屋に引き篭もっている。
引っ越してきた次の日は、【荷物動かして頂いてありがとうございました】というお礼の言葉も添えられていたけど。
日中仕事で外出して夜帰宅すれば、玄関に彼女の靴はなく家は静かだ。
いつ帰って来るのか気にしながら書斎で仕事をしていると、いつも深夜近くに玄関のドアが開く音がして彼女が帰ったとわかる。
俺を避けているというよりは、気遣っているんだと思う。
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