クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
ふたりが論文のテーマを決める間も、中村さんは棚にある本を興味深げに眺めていた。
すでに卒論のテーマも決まっているのだろう。
「じゃあ、頼むよ。中村さんはそのまま院へ進むんだっけ?」
何気なく進路のことを話せば、彼女は俯いてカップに目を落とす。
「ええ。でも……もう大崎教授はいないから、少し迷っています」
『大崎教授』というのは俺の恩師で、俺が担当しているゼミも元は大崎教授のゼミだった。
何度もノーベル賞候補にあがった世界的に有名な経済学者。
他の学生の話では、中村さんは大崎教授の論文を読んで感銘を受け、うちの大学に入ったらしい。だが、大崎教授は亡くなった。
すでに卒論のテーマも決まっているのだろう。
「じゃあ、頼むよ。中村さんはそのまま院へ進むんだっけ?」
何気なく進路のことを話せば、彼女は俯いてカップに目を落とす。
「ええ。でも……もう大崎教授はいないから、少し迷っています」
『大崎教授』というのは俺の恩師で、俺が担当しているゼミも元は大崎教授のゼミだった。
何度もノーベル賞候補にあがった世界的に有名な経済学者。
他の学生の話では、中村さんは大崎教授の論文を読んで感銘を受け、うちの大学に入ったらしい。だが、大崎教授は亡くなった。