クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
「ファ……ファーストキス……の訳ないじゃないですか。キスの経験くらいエ、エベレストくらいあります!」
恐らくファーストキスとバレたくなくてかなりテンパッているのだろう。
「綾香……言いたいことはわかるけど、その喩えは間違ってるよ」
苦笑しながら指摘するも、彼女は止まらない。
「男性経験だって……凄いんですから」
嘘なのがバレバレで、あまりにも痛々しく思えた。
真面目な優等生タイプなだけに、ムキになるんだよな。
「綾香」
名前を呼んで落ち着かせようとしても、彼女はまだ言い張る。
「だから……私は……経験豊富!?」
「もういいよ」
綾香の頬に両手を添え、目を合わせた。
ハッとした顔になる彼女。
その琥珀色の瞳には俺が映っている。
「わかったから」
綾香に男性経験ないのがよーくわかった。
またキスしたらどういう反応をするだろう。
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