クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
その後綾香を寝かしつけ、午後は大学で仕事をした。
海外の論文に目を通していたら、コンコンとノックの音がして、左京が入って来る。
「天気荒れてきたぞ」
そう言って当然のように俺のデスクの前にある打合せ用テーブルの椅子に腰掛ける彼。
もう外はすっかり暗くなって、雪が降っている。
三月初旬なのだが、これから結構積もるのかもしれない。
「すぐに帰った方が良さそうだな」
腕時計に目をやれば、時刻は午後六時三十分。
「もう可愛い猫ちゃんは元気なのか?」
左京は脚を組みながら、俺の猫のことを口にする。
「まだフラフラして外に出られない状態。雑誌の対談は助かったよ」
デスク周りを片付けながら礼を言うと、左京はどこか自慢げに報告する。
「まあ、俺もなっちゃんとのデートを楽しんだけど」
こういうところは感心する。
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