クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル

女のことに関しては、チャンスを逃さない。
「それは、良かったな」
表情を変えずにコメントすると、左京は高圧的な態度でフッと笑った。
「だが、これは大きな貸しだぞ」
「はい、はい。今度、高級焼肉でも奢る。俺、もう帰るから」
適当にあしらって席を立てば、こいつは俺の肩に手を回してきた。
「慧、冷たいなあ……って、なんかお前、フローラル系のいい匂いする」
左京は鼻をクンクンさせる。
「お前は犬か。止めろよ、気持ち悪い」
冷やかに言って左京を突き放したが、彼はニヤリとした。
「女の子の匂いがする」
その言葉に綾香の顔がパッと浮かぶ。
背中撫でたりしてたから、彼女の匂いが移ったか？
「柔軟剤変えたからかもな。いつもの売り切れてて」
ポーカーフェイスで誤魔化すが、左京は俺の説明に納得しなかった。