クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
彼女がいなくなってハーッと息を吐くと、デスクの上のチョコを忌まわしげに見た。
過去に身を持って学んだ教訓。
“手作りチョコは食べてはいけない”
中学生の時に母親が作ったチョコを食べて、病院送りにされたのだ。それ以来、市販のチョコも口にしていない。
もらったチョコを無造作に全部横のゴミ箱に捨てれば、ガチャッとドアが開いて……。
「あっ……」
再び現れた中村さんと目が合った。
マズイと思ったが、こんなところを見られてしまってはもうどうにも言い訳出来ない。
「……最低。先生って顔だけの人なんですね。教え子からのチョコをゴミ箱に捨てるなんて」
心底呆れ果てた声で俺を非難する彼女。
『顔だけの人』と言われ、カチンときた。
俺の何を知ってるというのか。
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