クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
俺の誘いに彼女は明るく笑いながら条件を出す。
「ハンデいっぱいくれますか?」
綾香の要求にニコッと微笑む。
「いいよ。何を賭けようか?」
「先生……やる気満々ですね。勝てる気がしないんですけど」
少し引き気味の彼女をからかった。
「綾香にしては弱気な発言」
「だって、ハンデあっても楽勝って顔してますよ」
綾香は上目遣いに俺を見る。
「そうかな?」
クスッと笑ってとぼけたら、ピンポーンとインターフォンが鳴った。
「多分修也だ」
彼女にそう言うと、玄関に行き鍵を開けた。
弟から今日は早く上がると聞いていたので夕飯に呼んだのだ。
「頼まれたもの買って来たよ」
修也はケーキの箱を俺に差し出す。
実は、今日は三月十日。亮太の言葉に間違いがなければ綾香の誕生日なのだ。
「悪いな。亮太はドバイだし、代わりに祝ってやりたくて。まあ、上がれよ」
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