クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
修也からケーキを受け取り、一緒にキッチンに行く。
「こんばんは。綾香ちゃん、顔色良さそうだね」
弟が彼女に話しかけている間に、ケーキを素早く冷蔵庫に入れると、買ってきた牛肉を取り出して皿に盛った。
「美味しそうな肉だね」
修也が肉を見て頬を緩める。
「松阪牛だからな。味わって食えよ」
ニヤリと笑ってそうコメントしたら、綾香が少し興奮気味に言う。
「わあ~、すごい豪華ですね。うちじゃあ、ブランド牛の肉なんて高くて買いませんでしたよ」
「何言ってんの。今はここが家じゃないか」
トンと綾香の頭を小突いてそう指摘すれば、彼女は「あっ……そうでした」と苦笑する。
「まあ、ここに引っ越して間もないんだからまだ実感はないよね」
修也は優しくフォローを入れ、ダイニングテーブルの椅子に腰掛けると、俺と綾香を見てニヤリとした。
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