クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
「見られたからには口止めしないとね」
開き直ってニヤリすると、中村さんの瞳を捕らえてゆっくりと近づいた。
「せ……先生?」
俺のただならぬ空気を察したのか、彼女は金縛りにあったかのように固まる。
「俺を怒らせたからだよ」
氷のような冷たい声で告げて中村さんを捕らえると、顔を近づけてその柔らかな唇を奪った。
驚きで目を見開く彼女。
その顔を見て胸がスッとした。
キスを終わらせると、中村さんはハッと我に返り、俺に手を上げる。
「無駄だよ」
意地悪く笑って、難なく彼女の手を掴んだ。
「ホント……最低」
中村さんは傷ついた表情で俺を罵り、悔しそうに唇を噛む。
「そうだね。でも、そうさせたのは君だ」
ゲスな自分を認めつつも、責任を彼女に転嫁した。
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