クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
修也が綾香と話している間に鍋に牛脂を引き、ネギを焼いて……と、手早くすき焼きの準備を進めていたら、またインターフォンが鳴った。
「他にも誰か呼んだの?」
修也は俺に目を向ける。
「いや」と答えながらリビングに行ってインターフォンのモニターを見たら、左京が映っていた。
「何?」と冷たく対応したら、奴はニコニコ笑顔で答える。
『美味しいシャンパンもらってさ。慧と一緒に飲もうかと』
「そういうのは恋人とすればいいだろ」
素っ気なく断るが、左京はしつこく食い下がる。
『たまには男友達と語り合いたいんだよ』
多分、俺の猫のことが知りたくて来たのだろう。
「今客がいるから無理」
ピシャリと拒絶するが、こいつは諦めない。
『どうせ修也君だろ。早く開けろよ。寒くて風邪引きそうだ』
ブルッとわざとらしく震え、俺を急かす。
左京はよく俺の家に来るから、弟とも結構親しいのだ。
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