死神王と約束の騎士
夜の煌めき-sideエレナ
フェリシア王国の王宮で行われる舞踏会
それは社交界デビューしてから幾度となく参加しているもの。
だから今更新たな発見なんてしない。
ただ、男性からダンスに誘われそれを受けたり、私の家より下の貴族の娘たちが媚を売ってくるのを笑顔でさばく。
私がそれらを我慢してまで舞踏会に参加するのは、王子様達とお近づきになるため。
そのためだけだったのに。
「今なんておっしゃったの?お父様」
「お前ももう15だ。そろそろ婚約者をたてるべきだと思ってな」
そんな話を振られたのは大広間で令嬢達と談笑していた時。私は王子様と結婚したいの。
そこら辺の貴族の息子と婚約だなんてまっぴらごめんだわ
「いやよ、お父様、私は婚約なんてしないわ!!」
そう言い捨てて私は大広間を飛び出した
王宮の長い廊下をひたすらまっすぐ歩いていた私は、中庭近くまでたどり着いた
この中庭はとても美しいことで有名だ。
中庭に行こうと廊下から中庭につながる階段に足を進める。
その時だった。
ズルッ
「キャッ!?」
私は足をすべらせ、階段から空中に身体を放り出された。
この階段は2階の廊下から中庭まで直接出るためのものなので、落ちたら無事ではいられない。
このまま死んでしまうのかと血の気が引いた。
思わず目を閉じた瞬間、
フワッ
誰かに抱きとめられた感触がした。
ドサッ
誰かが私のクッションとなってくれたおかげで私はどこも痛くない。
「お怪我はありませんか?ご令嬢」
声をかけられ、お礼を言おうと顔をあげる。
「っ、え、ええ、大丈夫です。本当にありがとうござい…えっ?」
「っ、」
「「えぇ!?」」思わず叫んでしまった。
それもそのはず、私を助けてくれたのはこの国の落ちこぼれ王女、ノエル王女だったのだ。
運動もできないと言われているのに空中で私を抱きとめるなんて、運動ができないというのはデマだとしか思えない。
その後、完全に思考回路がストップした私が復活したのは王女に抱き上げられた時だった。
「っ、なにするの!?おろしなさいよ!!」
「お返事が返ってこないので、動けないのかと」
「動けるわ!!動けるからおろしなさい!!」
「もう抱き上げてしまったのでこのまま大広間の近くまでお連れします。ご安心ください、誰にも見られないようにしますし、私も今日のことは誰にも言いません。2人だけの秘密です」
「///」そこら辺の貴族の息子よりもかっこいいセリフを言われて、思わず赤面してしまった。
なによ、落ちこぼれ王女のくせに。
赤くなった顔を見て欲しくなくて王女の肩に顔をうずめた。
落ちこぼれ王女だと言っていつも見下していたけど、そこら辺の貴族の息子より断然紳士だ。
どうしよう。別に恋愛対象として好きになったわけじゃないけれど、いつもの落ちこぼれ王女ではなく本当の姿をみたい
きっと今まで周りに見せていた姿は偽りの姿。本当の姿はきっとこっち。
これはただの女の勘だけど。そのままノエル王女は大広間の近くまで私を運び、もと来た道を戻っていった。
大広間に戻った私はお父様達から話しかけられたけど、全てうわの空だったせいで何ひとつ覚えていなかった。
ノエル王女…
--決めた。
ノエル王女の1番そばにいられる女性は侍女だ。
ならば私も侍女になればいい。
あいにく私はスフィア侯爵家唯一の子供だ。
侯爵家は貴族の中で最も高い爵位だ。
そんな身分の高い家の娘が侍女になるなんてお父様たちが黙っていないだろう。
でも決めたの。必ずノエル王女にふさわしい侍女になってみせる。
まずはお母様を味方につけなければ。
「待っていてください、ノエル王女」
それぞれがそれぞれの想いを胸に抱きながら夜は更けていく
人々の想いを月と星は静かに見下ろす
革命はすぐそこに--
それは社交界デビューしてから幾度となく参加しているもの。
だから今更新たな発見なんてしない。
ただ、男性からダンスに誘われそれを受けたり、私の家より下の貴族の娘たちが媚を売ってくるのを笑顔でさばく。
私がそれらを我慢してまで舞踏会に参加するのは、王子様達とお近づきになるため。
そのためだけだったのに。
「今なんておっしゃったの?お父様」
「お前ももう15だ。そろそろ婚約者をたてるべきだと思ってな」
そんな話を振られたのは大広間で令嬢達と談笑していた時。私は王子様と結婚したいの。
そこら辺の貴族の息子と婚約だなんてまっぴらごめんだわ
「いやよ、お父様、私は婚約なんてしないわ!!」
そう言い捨てて私は大広間を飛び出した
王宮の長い廊下をひたすらまっすぐ歩いていた私は、中庭近くまでたどり着いた
この中庭はとても美しいことで有名だ。
中庭に行こうと廊下から中庭につながる階段に足を進める。
その時だった。
ズルッ
「キャッ!?」
私は足をすべらせ、階段から空中に身体を放り出された。
この階段は2階の廊下から中庭まで直接出るためのものなので、落ちたら無事ではいられない。
このまま死んでしまうのかと血の気が引いた。
思わず目を閉じた瞬間、
フワッ
誰かに抱きとめられた感触がした。
ドサッ
誰かが私のクッションとなってくれたおかげで私はどこも痛くない。
「お怪我はありませんか?ご令嬢」
声をかけられ、お礼を言おうと顔をあげる。
「っ、え、ええ、大丈夫です。本当にありがとうござい…えっ?」
「っ、」
「「えぇ!?」」思わず叫んでしまった。
それもそのはず、私を助けてくれたのはこの国の落ちこぼれ王女、ノエル王女だったのだ。
運動もできないと言われているのに空中で私を抱きとめるなんて、運動ができないというのはデマだとしか思えない。
その後、完全に思考回路がストップした私が復活したのは王女に抱き上げられた時だった。
「っ、なにするの!?おろしなさいよ!!」
「お返事が返ってこないので、動けないのかと」
「動けるわ!!動けるからおろしなさい!!」
「もう抱き上げてしまったのでこのまま大広間の近くまでお連れします。ご安心ください、誰にも見られないようにしますし、私も今日のことは誰にも言いません。2人だけの秘密です」
「///」そこら辺の貴族の息子よりもかっこいいセリフを言われて、思わず赤面してしまった。
なによ、落ちこぼれ王女のくせに。
赤くなった顔を見て欲しくなくて王女の肩に顔をうずめた。
落ちこぼれ王女だと言っていつも見下していたけど、そこら辺の貴族の息子より断然紳士だ。
どうしよう。別に恋愛対象として好きになったわけじゃないけれど、いつもの落ちこぼれ王女ではなく本当の姿をみたい
きっと今まで周りに見せていた姿は偽りの姿。本当の姿はきっとこっち。
これはただの女の勘だけど。そのままノエル王女は大広間の近くまで私を運び、もと来た道を戻っていった。
大広間に戻った私はお父様達から話しかけられたけど、全てうわの空だったせいで何ひとつ覚えていなかった。
ノエル王女…
--決めた。
ノエル王女の1番そばにいられる女性は侍女だ。
ならば私も侍女になればいい。
あいにく私はスフィア侯爵家唯一の子供だ。
侯爵家は貴族の中で最も高い爵位だ。
そんな身分の高い家の娘が侍女になるなんてお父様たちが黙っていないだろう。
でも決めたの。必ずノエル王女にふさわしい侍女になってみせる。
まずはお母様を味方につけなければ。
「待っていてください、ノエル王女」
それぞれがそれぞれの想いを胸に抱きながら夜は更けていく
人々の想いを月と星は静かに見下ろす
革命はすぐそこに--