死神王と約束の騎士
ゼノと2人、王宮の広い廊下を歩く。

「私はいつものように裏で控えておりますので」

「分かった」

「またあの胸糞悪い光景を見せられるなんて憂鬱です」

「気にしなければいいのに」

「いつもは生意気な口を聞いておりますが、私はあなたを主として敬愛しているのです。大切な主を侮辱されて、平気な顔をしていられるわけがないでしょう!?」

「うん、ありがとう」

言われなくても知ってる。リースもゼノも私を大事にしてくれていること。

だから周りにどれだけ悪く言われても私は前を向けるんだ。



私の部屋は日当たりの悪い王宮の端、北の塔にある。

そこから謁見の間や大広間、各大臣達の執務室などはとても遠い。

長い道のりの果て、ようやく謁見の間にたどり着いた。

謁見の間の前に立つ兵士が中に声をかける。

「第二王女様がおつきになられました」

そして謁見の間への扉が開いた。
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