Loving egg
人生何が起こるかわからない
ちょっと前まで忙しく働いていたのに、急に職を失うなんて
経営状態の悪い小型チェーン店の足切りだもん、バイトから首を切られて当たり前だ
ただ、昼夜関係なく通っていた愛着のあるバイト先が潰れてしまうのはなんだか切ない
と同時に、私の口座もさみしいことになってしまう
『無理ぃ・・・』
べコっと空になった炭酸飲料のペットボトルが、音を立てて手の中で潰れた
新しいバイトを探すにも梅雨で遅めの五月病が蔓延するこの時期に掲載される応募要項は、このホームページの常連企業ばかり
ワーカーホリック女子大生、大ピンチ
「なんでそこまでして働きたいの?」
毎夜サークルで飲み明かし、昼間は学生業を全うする愛理には私の気持ちがさっぱりわからないのだろう。
画面にポンポンと浮かぶ吹き出しに返信しながら、心底不思議そうな顔をする
『お金がたりないんだよ・・・』
「うそつけ、そんなに稼いで貯まらないわけないじゃない」
遊ぶためには仕送りだけじゃ足りない
それに、私にはお金を貯める理由がある
口が裂けてもその理由はいえないけれど
「そしたら登録制の単発アルバイトは?」
『登録制?』
「そう
登録して、行きたい日に応募すればいいの」
彼女がおくってくれたウェブサイトを見ると、思っていた以上に沢山の仕事の広告が並んでいる
『へぇ・・・いろいろ職種もあるんだ』
「そう!だから、自分のやりたい仕事とかを選べばいいの!」
都合のいい日に働けるから、お小遣い稼ぎにはうってつけだという
長期での仕事は長い目で見て探した方が良さそうだな、と早々に切り替えて登録をすれば
次の日からは募集メールのラッシュだった
とりあえず、でも
働くことがライフスタイルの一部に組み込まれてしまっているから、バイトがないスケジュール帳が不安で仕方ない
何かに応募してみなければ
『…イベントスタッフ?』
退屈な講義中、隠れながらスマホをいじっていたところで見つけた求人
見れば日曜日だけの単発で時給もそこそこだ
この週末に、すぐに仕事には入れるんだな
迷うことなく応募をして、何気なくSNSを巡回して、なんとなく講義を受けて
今日は金曜日
彼とかぶってる講義は一つもない曜日
目を向けた先に、彼はいない
・・・当たり前なんだけど
ちょっと前まで忙しく働いていたのに、急に職を失うなんて
経営状態の悪い小型チェーン店の足切りだもん、バイトから首を切られて当たり前だ
ただ、昼夜関係なく通っていた愛着のあるバイト先が潰れてしまうのはなんだか切ない
と同時に、私の口座もさみしいことになってしまう
『無理ぃ・・・』
べコっと空になった炭酸飲料のペットボトルが、音を立てて手の中で潰れた
新しいバイトを探すにも梅雨で遅めの五月病が蔓延するこの時期に掲載される応募要項は、このホームページの常連企業ばかり
ワーカーホリック女子大生、大ピンチ
「なんでそこまでして働きたいの?」
毎夜サークルで飲み明かし、昼間は学生業を全うする愛理には私の気持ちがさっぱりわからないのだろう。
画面にポンポンと浮かぶ吹き出しに返信しながら、心底不思議そうな顔をする
『お金がたりないんだよ・・・』
「うそつけ、そんなに稼いで貯まらないわけないじゃない」
遊ぶためには仕送りだけじゃ足りない
それに、私にはお金を貯める理由がある
口が裂けてもその理由はいえないけれど
「そしたら登録制の単発アルバイトは?」
『登録制?』
「そう
登録して、行きたい日に応募すればいいの」
彼女がおくってくれたウェブサイトを見ると、思っていた以上に沢山の仕事の広告が並んでいる
『へぇ・・・いろいろ職種もあるんだ』
「そう!だから、自分のやりたい仕事とかを選べばいいの!」
都合のいい日に働けるから、お小遣い稼ぎにはうってつけだという
長期での仕事は長い目で見て探した方が良さそうだな、と早々に切り替えて登録をすれば
次の日からは募集メールのラッシュだった
とりあえず、でも
働くことがライフスタイルの一部に組み込まれてしまっているから、バイトがないスケジュール帳が不安で仕方ない
何かに応募してみなければ
『…イベントスタッフ?』
退屈な講義中、隠れながらスマホをいじっていたところで見つけた求人
見れば日曜日だけの単発で時給もそこそこだ
この週末に、すぐに仕事には入れるんだな
迷うことなく応募をして、何気なくSNSを巡回して、なんとなく講義を受けて
今日は金曜日
彼とかぶってる講義は一つもない曜日
目を向けた先に、彼はいない
・・・当たり前なんだけど