不毛な恋の行方
「ねぇ、恵理奈?
どっか行きたいところある?」
わたしの家でご飯を食べて
二人でゆっくりテレビを見ていると
まさかの言葉。
「んー、どこだろ。
思い浮かばないなー。
あ、あの、ワガママ言っていい?」
「何?どうぞ。」
そう言って微笑んでくれるだけで
幸せだなーと思ってしまう。
「1日紘都さんを独り占めしたいです。」
予想していた言葉と違うかったようで
紘都さんからは何も返ってこない。
「あ、あのあえて言うなら
ドライブとか、、、」
急いで付け加えると、
「1日と言わず、
ずっと独り占めしてほしいんだけど?」
と、頭を撫でてくれた。
「恵理奈は本当、可愛い。
んー、じゃあどうしよっかなー。
ちょっと今旅行は難しいから、」
と、サラッと言う彼に
やっぱりか、と落ち込む。
いやいやいや、仕方ない。
でも最近つくづく思う。
わたしの方が先に出会いたかった。
わたしが彼の奥さんになりたかった。
こうやって会ってくれるのも
彼女のようにしてくれるのも
きっと奥さんが忙しくて
彼自身が寂しいんじゃないかって
CAさんのことはよく分からないけど
国際線ってことは
何日か帰らないことも多いはず。
それできっと彼は寂しい思いをしていて、
一人でいるのが辛いんだろう。
「…い、おーい、恵理奈?」