不毛な恋の行方
近くて遠い彼
それからは外ではなく、
わたしの家で会うことが多くなった。
家に来て、
ご飯を食べて、
一緒に過ごす。
小説を選んで一冊持って帰る。
わたしの家ばかりで
やっぱり、、と言う思いもあるけれど
それでも嬉しい。
彼がわたしを求めてくれる。
彼に抱きしめられると
彼に求められると
拒否することは出来ない。
全身で応えたい。
彼に抱かれていると
愛されていると錯覚してしまうほど
大事に、時に激しく求められる。
普段見ることのない
余裕のない彼。
「…恵理奈っ、」
「…紘、都さんっ、、!」
この温もりを知ってしまったわたしは
自ら手を離すことは出来なかった。