不毛な恋の行方



それからも関係は続いた。


考えないようにしているわたしと
何事もなかったかのような彼。


本当に優しくて一緒にいると
わたしだけ、と錯覚に陥る。


だけど、やっぱり引っかかる点はある。



まず、彼の家に行ったことがない。



これは奥さんがいるから、
それは分かっている。



そして、外でデートをしたことがない。


食事はあるけれど、
1日外でデートはなかったし、
これからも予定にない。


なんなら、、、


土日はほとんど会えない。




これはやはり奥さんが居るから。
なのか、

でも国際線なら不在も多いはず、
と思うんだけれど、、、
と会いたいと思ってしまうわたしは
やっぱりずるい。



自分から、

会いたい

が言えないのだ。


紘都さんの都合が、とか
奥さんに申し訳ない、とか
そんなことを理由にしながら


本当は断られるのが怖いから。


やっぱりわたしは二番目だ、と
目の当たりにしたくないのだ。



わたしは本当にずるい。


何度も別れようと考えた。
だけど紘都さんの優しさや温もりを
知ってしまったわたしが
自分から離れて、失うのが怖い。
「いいよ。」と言われるのが怖い。
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