幼なじみのイケメン御曹司に独占されてます。
千愛はそんな俺をどこか怯えたような目で見て、

震える唇をなんとか動かす。

「っ……はな、して……」

さらりと揺れる髪。

彼女が俺のものじゃないことが、俺の心をかき乱して。

『誰かに奪われるかもしれない』

そんな不安が俺を襲って、冷静になれない。

「あいっ……ねえ、なんか今日おかしいよ?」

そう言った千愛に口を開く。

「……これがいつもの俺だって言ったら、千愛はどうする?」

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