幼なじみのイケメン御曹司に独占されてます。
……ハッと息を飲んだ。

紅潮した頰をつっ……と流れる涙。

俺を見つめる切なげな瞳。

「も……やだ……」

震える声をあげながら、涙がどんどん流れ落ちていく。

ドクンッ……

「……や、だ……」

そう言った千愛に、声をかけようとすると。

「……千愛ちゃん」

空き教室に響いた声に、俺の胸がドクンとなる。

「しゅ、う……」

「……こんな時間までいてたの。帰ろう」

< 312 / 416 >

この作品をシェア

pagetop