幼なじみのイケメン御曹司に独占されてます。
「俺たち、似た者同士だね」

「一緒にしないでくれる?」

私は次に進むんだから。

ちゃんと、いい人を見つけて澄風くんのこと見返してやるんだから。

「……いい目、してるね」

ふと堂坂にそう言われて一瞬鼓動が跳ねる。

「っ……うるさい。あと私が泣いてたこと誰にも言わないでよ」

「えー、どうしようかな」

「言ったら高坂さんにあんたの気持ち言うから」

「それは勘弁してよ、多分気持ち、伝わってないし」

……さあ、それはどうかな。

心の中でそう言ってもう一度空を見上げる。

……前に、進んでいこう。

彼への想いは今日で断ち切るんだから。

空はどこまでも青く、澄んでいて。

すでに一歩踏み出せたような、そんな気がした。
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