新選組と封印された天狗少女
新撰組
あれから新八達に剣術をみせてもらった。それは中々のものだった。
あれが、新選組か。
総ちゃんはなにかの仕事に出ているようで、部屋にはいなかった。
ガラッ
誰かが部屋に入ってきた。
「沖田……どなたですか?」
部屋に入ってきたのは、見覚えのない人間だった。
「お前こそ誰だよ」
私は布団から出て、そいつと距離をとる。
「僕は、斎藤一です。新選組三番組組長してます。あなたは……沖田の着物を着ていますね。沖田の女ですか、小さいですね」
総ちゃんの女?どういうことだ?
「沖田をみなかったか?」
「今日は仕事に出ると言ってた。今夜は帰らないそうだ」
「そうか。ありがとう」
斎藤一か。性格悪そうな顔をしていたな。今日はもう、寝るか。
「千夜ちゃん!」
「新八……?」
斎藤一が帰ったと思ったら、次は新八か。
「千夜ちゃん、お話しない?」
「いいけど」
私がそう言うと、新八は私の隣にきた。
「なんかさ、ききたいことある?」
「……新八は、妖怪をみたことがあるか?」
「妖怪?あることはあるよ」
あるのか。ここらの妖怪だと、小豆洗いとかか。
「天狗をみたよ、一度だけね」
「天狗……?」
新八は、天狗をみたことがあるのか?天狗は少ししか生息していない。もしかして、私か?
「うん。綺麗だったよ」
綺麗?天狗を、綺麗と言ってくれるのか?人間は、天狗のことを嫌って憎んでいるとずっと思っていたのに。
「どこでみたんだ?」
だって、気になるだろ。もしここら辺だったら私だ。ここらに天狗は私しかいないもの。
「小さい頃、ここら辺で天狗に救われたことがあるんだ」
救われた?それに、ここらってことは、私という可能性が高い。
「昔、大人達にいじめられていた時のことだよ。天狗が来て団扇をひょいっと扇いだんだ、そしたら大人達はその場に倒れちまってさ。でも天狗はいつの間にかいなくなってて……」
いつのことだろう。思い出せない。人間は人間でも小さい子は好きでな、よく助けていたな。でも、思い出せない。
「そうか……」
「千夜ちゃんの友達だったりするの?」
友達、か。そんなの、今まで一度も出来たことないよ。天狗は常に『孤独』なんだから。そして、いつも孤独と戦っているんだ。
「ううん、違う。ただききたかっただけ」
人間のような低民を羨ましいと思ったことはない。こんな汚らわしいやつらなんかに。だけど、一度でいいから友達を作ってみたいとは思ったことがあった。なんたって人間には友達がいるからな。
あれが、新選組か。
総ちゃんはなにかの仕事に出ているようで、部屋にはいなかった。
ガラッ
誰かが部屋に入ってきた。
「沖田……どなたですか?」
部屋に入ってきたのは、見覚えのない人間だった。
「お前こそ誰だよ」
私は布団から出て、そいつと距離をとる。
「僕は、斎藤一です。新選組三番組組長してます。あなたは……沖田の着物を着ていますね。沖田の女ですか、小さいですね」
総ちゃんの女?どういうことだ?
「沖田をみなかったか?」
「今日は仕事に出ると言ってた。今夜は帰らないそうだ」
「そうか。ありがとう」
斎藤一か。性格悪そうな顔をしていたな。今日はもう、寝るか。
「千夜ちゃん!」
「新八……?」
斎藤一が帰ったと思ったら、次は新八か。
「千夜ちゃん、お話しない?」
「いいけど」
私がそう言うと、新八は私の隣にきた。
「なんかさ、ききたいことある?」
「……新八は、妖怪をみたことがあるか?」
「妖怪?あることはあるよ」
あるのか。ここらの妖怪だと、小豆洗いとかか。
「天狗をみたよ、一度だけね」
「天狗……?」
新八は、天狗をみたことがあるのか?天狗は少ししか生息していない。もしかして、私か?
「うん。綺麗だったよ」
綺麗?天狗を、綺麗と言ってくれるのか?人間は、天狗のことを嫌って憎んでいるとずっと思っていたのに。
「どこでみたんだ?」
だって、気になるだろ。もしここら辺だったら私だ。ここらに天狗は私しかいないもの。
「小さい頃、ここら辺で天狗に救われたことがあるんだ」
救われた?それに、ここらってことは、私という可能性が高い。
「昔、大人達にいじめられていた時のことだよ。天狗が来て団扇をひょいっと扇いだんだ、そしたら大人達はその場に倒れちまってさ。でも天狗はいつの間にかいなくなってて……」
いつのことだろう。思い出せない。人間は人間でも小さい子は好きでな、よく助けていたな。でも、思い出せない。
「そうか……」
「千夜ちゃんの友達だったりするの?」
友達、か。そんなの、今まで一度も出来たことないよ。天狗は常に『孤独』なんだから。そして、いつも孤独と戦っているんだ。
「ううん、違う。ただききたかっただけ」
人間のような低民を羨ましいと思ったことはない。こんな汚らわしいやつらなんかに。だけど、一度でいいから友達を作ってみたいとは思ったことがあった。なんたって人間には友達がいるからな。