恋人未満のこじらせ愛
『お前にとって、俺は何?』
さっきの質問が、頭をぐるぐる掻き乱す。
これは─夢の代償だ。
夢にすがっていた、私の末路。
広報部に移動しなければ良かった。
きっと…近くなりすぎだんだ。
所詮私達はカラダだけの関係。
だったらそれらしく、何も干渉されない距離を保つべきだった。
そもそも住む世界が違う人間だ。
一瞬でも夢の中に居れるから…とすがり付いていたけれど、所詮私は蔑ましい存在で、都合良く扱われてるだけ。
こんなに近くなければ……きっと見て見ぬフリができて、素直に夢だけ見ていられた。
「……っぐ…………っぐ…………………」
ただひたすら涙を流しながら、駅に着いて電車に乗る。
まだ座っている人すらまばらな休日朝の電車。
車両の片隅で手摺にもたれかかって泣いている私は─さぞ滑稽だろう。
分かっていながらも、涙は止まることはなかった。
完全に、夢から覚めてしまったのだ。