恋人未満のこじらせ愛
そのままクローゼットを漁って、コーディネートを考える。
フリルとは言え無地のシャツだから……花柄のスカートを着ていこう。
黒地にレトロな花模様。これならカジュアルすぎずに適度に大人っぽい。
ノースリーブなので羽織り物はどうしようか。
色がないので杢ブルーの少し秋っぽいカーディガンを足せば…大丈夫。
かばんは少し小振りのショルダーにしよう。
よし、これでいい。

大丈夫だ、と思った瞬間──眠気が襲う。
薄れゆく意識の中、最後の気力を絞って携帯を取り出す。
昨日から放置の携帯。残念ながら誰からの連絡もきていない。石見君の既読をつけていないのを除くが。

アラームをセットすると充電ケーブルに差して…項垂れるようにベッドに潜りこんだ。
今からだと三時間ぐらいは眠りにつける。

目が覚めると、全て夢だったらいいのに。
せめて腫れがひどい瞼だけは治っていますように。
そう念じていると、すぐに眠りに落ちていた。
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