恋人未満のこじらせ愛
「本当は今日、映画でも誘おうかと思ったんですよね。でも好みがわからなくて……」

「あ、そうなの？」

「銀座にあるミニシアターにでも誘おうかと思ったんですが……」

「あぁ、あそこね」

私もチェックしていない訳ではない。

「今ね、あそこはフランス映画やってるんだよね。私、あんまり好きじゃないんだ」

「何でですか？」

「うーん、説明しづらいんだけど…何かさ、話に救いようがないのが多いんだよね。結末が悲壮感漂うと言うか」

そんな作品ばかりではないし、好きな作品もいくつかあるにはあるのだが。

「どっちかって言うとさ、フランス映画って『芸術』とか『哲学』とか…そっちを重視されてるのね。
私はどっちかと言うとさ、映画だから夢見たいのよ。映画見てる二時間ぐらいはさ、夢を見させて欲しいんだよね」


そう言えば、同じような台詞を言ったことがある。
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