恋人未満のこじらせ愛

あぁ、そうか。そうだったのか……。

『分相応』だと暗示をかけて、求めれても『夢』だと割り切って…傷付かないように細心の注意を払って……。それでも引っ掻かれたように、心がギリギリと音を立てていく、その訳は。


理解した瞬間──涙がポタポタと流れてくる。


「私………課長のことが……好きだったんだ………」


何で今まで、気付かなかったんだろう。

毒だと知りながらも…カラダを差し出し続け、拒否できなかったのも。
カラダや心を削り続けても…繋がっていたかったからだ。


「私、智也さんのことか………好き………なんだ……」



どうしようもないぐらい……好きなんだ。

涙が次々と溢れ出し、前を向くことができない。


下を向いて涙を流していると─不意に、誰かの胸に引き寄せられる。
大きな胸に、頭を包み込む、大きな手。


──この感触は、間違いない。