恋人未満のこじらせ愛
『今日のことは秘密にしときます。私と石見君との』

気にせずに食べ続ける私を、不満そうに見つめている彼。

『石見のどこが良かったんだ?』

これは…ヤキモチというものか?
まぁすこしぐらい妬かせてやろう。

『そうだなぁ、いつも隣を歩いていくれることかな。誰かさんはいつも引っ張るし…』

『だって、それでないとお前は逃げそうになるだろ?』

『ちゃんと不器用ながらまっすぐに気持ちを伝えてくれるし』

『今更言えるか』

『そんなひねくれた考え持ってないことかな』

『……俺が、嫌いか?』

少し、いじめすぎたらしい。

『好きですよ。私も何でかわからないぐらい、好きですよ』
空になった袋をゴミ箱に放り込んで、にっこりと笑いかけると、スイッチが入ったらしい。
くるまっていたタオルケットごとベッドに投げ出されて、じっくりと何度も求められて………そのまま朝を迎えてしまったらしい。


何か朝食を用意すべきだろうか。
でも、以外と傷付きやすい人なことに気付いてしまったのだ。

「起きた時に、隣に居て?」

その通りにしてあげようと、私はまたタオルケットに潜り込む。
潜り込んでピッタリ寄り添うように、体同士を密着させた。
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