恋人未満のこじらせ愛
「あぁ、元々私の後釜候補が菅原さんだったんだよ?」と伊藤さんはあっさりと答える。

「ほら私、六月ぐらいから出勤できなくなってきて……
その時にちょうど菅原さんの移動話が出てたから、私とノリ君で菅原さんを推してたんだよね。
そしたら大村君が先に手を回したってわけ」

「『菅原は広報に向いてると思うから貰います』って……自分の手元に置いておきたいだけじゃん」

「広報での評判も良いみたいだから結果オーライってとこ?まぁ割りと何処でもやっていける気はするけどねぇ」

「しかしまぁ…一昨日もなぁ『よし、ホテル連れ込め!』ってけしかけて、ようやく結ばれたかと思ったんだけどなぁ。
昨日メシ食べながら菅原さんのこと聞いたら『石見とデートしてる』ってバカじゃね?」

「石見君も悪い子じゃないみたいだけどねぇ。横取りされたらどうする気だったわけ?」

「どうせまたセコい手使って色々細工するだろ。
一向に菅原さんも気付かないし、『早く気付け!』ってずーっと思ってたけど?
これだからなまじ高学歴はっ」


『なまじ高学歴・こじらせ組』と江浪さんは私達を一掃する。
どうやら……私は相当鈍いし、色々こじらせているらしい。
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