恋人未満のこじらせ愛
再会は底無し沼
その後三人と会うこともなく、みんな卒業していった。
私自身もキャンパスが変わったので、他のサークルのメンバーとも疎遠になった。


いつしか別の生活基盤ができ上がってきて、あの一連の出来事は『ほろ苦い思い出』として処理されていった。


そして私は大学を卒業し、今の会社に就職した。そこそこの大手に就職できたことは、今でも誇らしく思う。
そして特に何も事件は起こらずに、就職し二年が経過していた。


そして再会は……予告なくやってきた。

あれは、四ヶ月前ほど前─五月のゴールデンウィーク明けの金曜日。
その日は溜まった雑務処理に追われて、遅くまで残っていた。遅くまで残るメンバーは大抵決まっていて、私と佐々木さんもその一人だった。

全ての業務が終わったのは夜の九時前。佐々木さんと「せっかくなので飲んで帰ろう」という話になって、いつも遅い江浪さんも「行こう」と乗り気で、伊藤さんも合流して四人で飲みに行くことになった。
このメンバーで飲むのはよくある話だった。

佐々木さんと伊藤さんは大の仲良しで、ほんの少しだけれど、女子の中で浮いていた。
それは実に下らない理由で、いかにも女子らしい理由だった。
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